◆ナポレオンと凱旋門

 あまりの大きさに想像を超える迫力を感じた。これが私の凱旋門を初めて見た時の印象であった。写真とか映像ではこれまで何度も見てきた。そのイメージは脳裏に焼き付いていたが、ずっしりとした重量感溢れる凱旋門は感動の出会いであった。

 凱旋門(アルク・ド・トリオンフ)とは、戦争に勝って将軍や兵士が凱旋した門を云う。これはナポレオンの命によって着工されたが生存中には完成せず、それから30年後の1836年王政のルイ・フィリップ時代に完成している。それはナポレオンの死後19年後のことであった。皮肉にも当のナポレオンは流刑の地セント・ヘレナ島で死んだ後に、群衆の見守るなかで遺体となってようやく夢叶い凱旋門を通ることとなった。

  エトワール広場の円周の道路に囲まれて凱旋門は立っていた。このあたりはパリでも一番の交通量で、道路を歩いて凱旋門まで渡ることは不可能であった。シャンゼリゼ通りの地下をくぐって階段を上がると凱旋門へたどり着いた。高さ50m、幅45mのスケールの大きさはナポレオン軍の強さを象徴するかのようであった。

 壁には1810年のウィーン講和条約記念の「ナポレオンの勝利」(コルトー作)の彫刻のほか、義勇軍の出陣の様子などが表現された装飾は見事であった。また中央には第1次世界大戦で犠牲となった無名戦士の墓があり、毎夕刻には追悼の炎が灯されている。この日も旗を掲げた人達が参拝していた。この世から二度と戦争が起こらないように心の中で合掌。

 撮影2009年冬