◆タオルの文化

 戦後まもない日本の生活は貧しく、食べることすら儘ならない状態であった。日用雑貨も事欠きタオル・手拭は、使い古され雑巾と変わらないものを使っていた。その頃に見たアメリカ映画で、大きなバスタオルを身にまとい、ふわふわのタオルで顔を拭いているシーンを見た時、羨ましく思ったものだった。

 時代は変わり「所得倍増」、「高度成長」の波が押し寄せた日本。日常生活まで劇的な変化をもたらして行った。今やタオルは有り余るまでになり、質の良い高級品が使われている。ある面でタオルの使用は生活レベルのバロメーターであるのかも知れない。

 愛媛県今治市は質・量ともに全国一のタオル生産を誇っている。瀬戸内海から少し山間へ入った所に、ヨーロッパのお城のような建物が忽然と現れた。周りの雰囲気からして、その大きさと豪華さには驚きであった。「タオル美術館(ASAKURA)」であった。恐る恐る中に入ってみたが、5階建本館の各フロアーの展示、売店等、品物・商品の種類も数も豊富で見る人を魅了した。 更に庭園に出てみると、そこはヨーロッパであった。よく手入れされた花壇には、季節折々の花々が華麗に咲いており、訪ねる人に癒しを与えてくれた。ここに来てタオルのコレクションを見ていると、日本はすっかり先進国として、リッチな生活をしているのだと実感した。

 今また世界経済は大きく変化している。中国からの大量の輸入品が日本に入ってきている。価格の面ではとても競争にならないほど低価格だ。このまま中国に押されてしまうのか。それはタオルも含めて、あらゆる商品が正念場の時を迎えている。

撮影2007年夏