◆美しい京都国際会館

 雨がシトシトと降っていた。前回訪ねた時もこのような雨の日であった。古都・京都は雨が似合う不思議な町だと思う。私は京都が好きだ。1000年も続いた都だけあって、至る所に歴史と伝統が息づいている。御所、二条城、清水寺、金閣寺・・・・・。数え上げれば限がない。

 その中で似つかわしくないモダンで近代的な建物があった。それは左京区宝ヶ池にある国立京都国際会館である。ここには何度か訪ねたことがある。一度目は30数年前になろうか、ここで国際会議に出席した。イヤーホーンを当てると同時通訳が聞けるのだ。当時にとっては画期的なことであった。

 ここは1966(昭和41)年に日本で最初の、国立国際会議場として誕生している。15万6千平方メートルの広大な敷地に、ユニークで素晴らしいデザインの建物の本館。大きなイベントホール、アネックスホール、そして大型ホテル(宝ヶ池プリンスホテル)が複合的には配置されている。日本が世界に誇る一大コンベンションセンターなのである。更に裏庭には宝ヶ池を囲むように、自然林や芝生の庭園が広がっている。そこではボート遊びや、美しい並木道が続くロマンチックな遊歩道もあり、京都らしい落ち着きも配慮されているように感じられた。

 1997(平成9)年12月、地球温暖化防止京都会議で決議した「京都議定書」は、国際的にも余りにも有名だが、その舞台となったのもこの会場であった。これまで様々な重要会議が開催されたこの場所は、今後とも世界の日本の地域の平和・友好のため、更に大きな使命と役割を果たしてもらいたい。

撮影2006年秋