アサヒビール「スーパードライ」の出現は、ビール業界の歴史的な革命であった。味もさることながら、これまでにない口当たり、のど越しの良さが売り物であった。そしてあうコール分5.5度は、これまでのビールと比べやや高めで、量の割には酔いが早いのかも知れなかった。 とにかく毎日毎日、スーパードライの広告を見ない日はなかったほど。広告効果の結果はまさに偉大であった。想像を遥かに越す売り上げが続いたのだ。嬉しい悲鳴とはこのことだ。これまで業界のトップを君臨してきたキリンビールも真っ青となった。スーパードライは何と、キリンラガーを抜いて売り上げナンバーワンに。これは奇跡の出来事であった。以来、私もスーパードライの大ファンとなってしまった。
大阪との県境のほど近い京都・天王山麓に、美しい木造建築の洋館があった。これは実業家・加賀正太郎が別荘を建てようと、木津川、宇治川、桂川が合流する景勝地付近に、1917(大正6)年に完成している。 |