◆ウィスキーのCM

 「♪〜ローレン、ローレン、ロレーン・・・・・、ビシッ! ビシッ!・・・・・ローハイド! ♪〜」テレビが一般家庭に普及しだした昭和30年代。日曜日の夜は必ず「ローハイド」を見たものである。このドラマは荒野の中をカウボーイ達が、大量の牛を追って移動する途中、様々なドラマが展開されていくもの。特にフェイバーさんの、責任感溢れる人間性が大好きであった。そして「森の石松」的なキャラクターのクリント・イーストウッドの出世作でもあり、その後も大スターとして現役で頑張っている。このテレビCMのスポンサーがサントリーウィスキー「トリス」であった。実に面白いCMであったと、今でも鮮明に記憶に残っている。 サントリー山崎蒸留所は京都との県境の、大阪府三島郡島本町山崎にあった。その昔よりテレビCMで見慣れたウィスキー工場の建物は、いつも大阪――京都間の新幹線の中からでも確認できた。一度訪ねてみたいと願っていたが、それがついに実現をした。

 サントリー創業者・鳥井信冶郎は日本のウィスキーを作るため、山崎蒸留所を建設したのは1923(大正13)年のことであった。以来「トリス」、「角瓶」、「オールド」、「ローヤル」、更には「山崎」等があるが、私は何といっても「響」が一番好きだ。原料は大麦。製麦→仕込み→発酵→蒸留→樽の中での熟成となる。これらを興味深く見学させて頂いた。

 周辺は竹林に囲まれており、ウィスキー作りに適した気候、風土、水、職人の技。これら全てが整った場所こそ、日本のウィスキーの故郷なのであろう。ここ来て初めてウィスキーの微妙な味と、価値を見出したように思えた。

撮影2006年秋