◆神奈川県庁本庁舎

 狭い日本の国土を47の都道府県に分けられている。それらは北から南まで気候の変化が違うように、長い歴史と共に、独自の地域性と特色を持つに至っている。その中にあって神奈川県はほぼ日本列島の中央にあり、あらゆる面で重要な位置付けをされる県である。特に人口では東京都に隣接していることもあって、大阪府を抜いて全国第2位の883万人(平成18年8月現在)を越える大県となっている。

 神奈川県庁本庁舎は、横浜港を望む海岸のすぐ近くにあった。見るからにどっしりとした歴史の重みを感じる建物であった。前県庁舎は1923(大正12)年の関東大震災により、全てを焼失してしまっている。そのために耐震構造を重視しての建設になっている。竣工は1928(昭和3)年。鉄筋コンクリート造の5階建。特にシャレテいるのが塔屋部分で、市民の多くの人から「キング」の愛称で親しまれている。これは王様が被る王冠に似ていることから付いたようだ。

 竣工して78年以上が経過しているこの本庁舎の中に入って見ると、歴史の重みを感じる素晴らしいインテリアに圧倒される。そして国登録有形文化財に指定されているにもかかわらず、新庁舎、第2分庁舎とは空中で結ばれて、今なお現役庁舎として活躍しているから嬉しい限りだ。

 広い神奈川県にあって、私の大事な友人がたくさん仕事に生活に励んでいる。ここは東京都を中心とする関東圏として、日本経済にとっては無くてはならない重要な地域となっている。特に横浜港は日本を代表する貿易港として、明治時代より大活躍をしている。更に川崎は一大工業地帯を形成している。その反面、西に位置する地域では美しい山と海があり、豊かな自然がいっぱいだ。私は将来的には東京を抜いて、人口日本一の県に更に発展するように思われてならない。それは神奈川県の素晴らしい環境と立地条件が、時代のニーズを満たしてくれるように思うからだ。

撮影2006年秋