◆琵琶湖のスイレン

 スイレンと聞けばモネを思い出す。フランスを代表する印象派の巨匠クロード・モネである。「印象・日の出」とか、「日傘を差す女」も有名で私も好きな絵であるが、何といっても彼の特長は、人生の後半にスイレンを描くことに全てを傾注したことにある。日本の風景をモチーフに、柳の木とか橋を取り入れられていたため、一層親しみが持てたのかも知れない。

 また「光の画家」とも呼ばれたように、同じ場面であっても水面に変化する光線の違いを、見事なまでに描く天才でもあったようだ。スイレンの代表作の一つが、パリにあるオランジュリー美術館に、2部屋を占める大壁画として展示されている。近いうちに是非とも見たいものだと希望している。

 琵琶湖は水生植物の宝庫だ。その中にあって烏丸半島の東に広がる「草津市立水生植物公園みずの森」を訪ねた。「植物と人、水と人のふれあい」をテーマに、実に見ごたえタップリの公園であった。特にスイレンは色とりどりの大きな花を咲かせて、満開の笑顔で私を迎えてくれた。どの花も「今が一番美しい瞬間なのです」と語っているように聞こえてきた。公園の中央には「ロータス館」があった。大温室をはじめ、展示室、映像ホール、ティーサロンにショップも備え、満足のいくスイレンの館であった。

 よく似ている花にハスがある。共に大きく美しい花を水面に咲かせている。水生植物公園のすぐ東隣には約3haにも及ぶハスが群生している。特にハスの開花時期である7月〜8月中旬にかけは、淡紅色の花が湖面を覆い尽くし、それはまさに壮観そのものである。

撮影2006年秋