◆琵琶湖文化会館 

 それはまるで湖に浮かぶお城のように見えた。5階展望閣からの360度大パノラマは、他では見ることの出来得ない素晴らしいロケーションであった。湖国・滋賀県大津市は、日本一の湖「琵琶湖」の最南端に位置している。その湖面に突き出した形で「琵琶湖文化会館」は建っていた。

 ここは1961(昭和36)年に総合博物館としてオープンしている。現在開催中の展示は「近江の歴史と文化」をテーマに、仏教美術の名品が公開されている。これらは国宝・重要文化財65件(215点)をはじめとして、県指定文化財52件(1858点)、更には様々な文化財を交えながら展示企画されている。

 車で運転しながらラジオを楽しむことがある。ニュース,音楽をはじめ様々な情報を伝えてくれる。そんな中でクイズ番組があった。問題は「日本で一番寺の多い県は何処でしょうか?」都道府県別で答えろとのこと。迷わず京都、奈良などの古都が思い浮かぶものだ。しかし答えは意外にも「滋賀県」であった。京都と共に800台に並ぶものの小差で滋賀県が日本一であった。京都には大きな寺、有名な寺が数多くあるため、京都の方がイメージの方が強い。しかし新幹線で滋賀県を走る時、周りの景色を見てみると、たとえどんなに小さな集落であっても、寺の屋根が一軒二軒あることを見付けることが出来る。なるほどと納得した。滋賀県は仏教王国なのだ。

 滋賀県は長い歴史の中で、彫刻・工芸・絵画をはじめ、仏教美術の幅広い文化財が存在する宝庫でもある。先人が残した宝をこれからも大切にしていきたいものだ。

撮影2006年秋