◆堺のシンボル

 世界一の面積(甲子園球場の12個分)を誇り、今から1500年前の5世紀中頃に、築造された大王の墓が仁徳陵古墳である。大阪・堺市を車で走っていると、住宅地の中にこんもりとした森があった。私の目線からすればそのようにしか見えないが、上空から撮られた写真を見て驚きだ。それは前方後円墳を形取った古墳が見事に残っているのである。

 この辺りは仁徳陵を中心とする百舌鳥古墳群として、4km四方に何と100余基もの古墳が群集しているのだから驚きだ。つまりこの辺りは“古墳銀座”とでも言うのであろうか。ここ大仙公園は堺市のシンボルパークである。この中にはいくつもの古墳をはじめ、堺市博物館、日本庭園、中央図書館、自転車博物館、緑化センター、更には平和塔、どら池、桜の園、そして中央には大芝生広場がある。

 なかでも緑化センターは入場無料にもかかわらず、良く整備された植物園で四季折々の美しい花が、園内いっぱいに楽しめることが出来る。このたびも胸をときめかして訪ねてみた。入口周辺には炎天下のなか、たくさんの可愛い花の入れ替えが行われていた。そして館内に入ると嬉しいことに、色とりどりの見事な花菖蒲が迎えてくれた。今が最も美しい時期なのであろう。

 更に公園内には立派な建物が目を引く。その一つが堺市博物館である。これは市制90周年事業として1980(昭和55)年に開館。堺市の歴史、美術、考古、民俗に関して収集、展示をしている。館内は石棺などもあり、少々気持ち悪い感はあったものの、素晴らしい展示内容であった。堺市(83万人)は本年4月に全国15番目の政令指定都市になっている。更なる発展を祈っております。

撮影2006年夏