◆ポップサーカスの魅力

 テントの中では華麗なパフォーマンスが繰り広げられていた。子供の頃に見たサーカスは、大人になった今も忘れることなく鮮明に覚えている。テレビ、映画による映像で見る演技も確かに素晴らしいものがある。しかしわざわざ足を運び、本物を見ることは大変重要な価値があるのだ。迫力がまるで違うし、緊迫した空気、また場内での家族的で楽しい雰囲気。

 桜の花も終わる頃、大阪・南港で公演されている「ポップサーカス」を見学した。正直言って入場するまでは、子供向けのサーカスぐらいでしか思っていなかった。しかし演技が進むにつれて、私の想像が間違っていたことを知らされた。これは洗練された技術、迫力、そして一生懸命の姿、全てが本物なのだ。子供から大人に至るまで等しく感動を与えてくれる。私もその一人であった。

 中国雑技団の人間業とは思えない、息を凝らしてのアクロバット演技。空中ブランコでは、信頼関係がなければとても出来るものではないと思った。そして子供たちに人気のピエロ。可愛いワンちゃんの演技等々。2時間に亘る公演は飽きさせることなく、感動の内に終わってしまった。今日見たサーカスは私の人生にあって、忘れ得ない素晴らしい思い出の一頁となった。

  ポップサーカスの久保田社長と話す機会に恵まれた。団員のなかには8カ国からの人達も含まれており、国際的であることが伺えた。会場がテントのために風に弱く、台風が心配とのことでもあった。サーカスとは夢を与える商売ともいえる。本物の感動を味わうことの重要性を、もっと多くの人に見てもらいたいとも。これからも全国各地へ、元気いっぱい「夢」を運んで頂きたいと願っている。

 撮影2006年春