◆人類の願いは「平和」

 この地球から永遠に「戦争」の二字を、葬り去ることは出来るのであろうか。私は出来ると信じている。しかしこれまでの人類の歴史は、戦争と争いの繰り返しであったように思う。それは今の時代も全く変わることなく続いている。残念でならない!これまで人間は戦争と戦争の間の一時期、争いと争いのひと時、ほんのつかの間の安堵と平和を楽しんだに過ぎないのであろうか。

 第二次世界大戦末期、本土決戦の地となった沖縄。更には日本の主だった都市は、空襲によって大きな被害を受けてしまった。それは大阪の地であっても同じで、その数は50回を越えていた。犠牲者は死者1万2620人、行方不明2173人。東京はそれ以上の被害となっている。そして止めは世界最初の原子爆弾による広島、長崎への投下であった。それは人類がこれまで経験しなかった想像を絶する破壊力であった。広島では一瞬にして20万人の尊き犠牲者を出してしまった。その時の原爆の名前が「リトルボーイ」と言うから皮肉なものである。

 大阪城公園のなかに「大阪国際平和センター(ピースおおさか)」はあった。大阪府と大阪市が共同で1991(平成3)年に戦争の悲惨さと平和の尊さを訴えた展示施設である。なかの展示物は目を覆いたくなるような悲惨な写真パネルを中心に、貴重な遺品が並べられていた。とても辛いものであった。

 「平和」それは人類の永遠の願い。戦争も争いも全ては人間の心の中から生まれる。そうであるならば人間の心に「平和」の尊さを、そして「戦争」の恐ろしさを知ることが最も大切なのではなかろうか。「ピースおおさか」を見学して多くを学び、平和な世界が訪れることを心より祈った。

撮影2006年 春