◆中部国際空港「セントレア」

 教育実習を受けたことがある。大学4年生の夏が過ぎた頃であった。東京・中野区にある中野第八中学校だと記憶する。2週間中学一年のクラス担任で社会科を受持った。みんな初々しく可愛い子ばかりであった。実習が評価される授業参観には、生徒の父兄をはじめ校長と数人の先生がこられた。私も子供たちも緊張していた。しかしその緊張はすぐに開放され、いつもの明るく活発な子供たちに変身した。世界地理の授業で「世界中で一番行って見たい所は何処でしょう。そしてその理由は?」と質問した。するとみんなから元気な返事で、スイス! パリ! ロンドン! ニューヨーク! ハワイ‐‐‐‐。楽しい夢のあるひと時となった。後で校長から「良かったよ」と。

 夢のない人生は寂しい。私は空港が好きだ。飛行機が飛び立つ姿に限りない夢は広がる。空港ロビーで英語でのアナウンスを聞くと、もう心は外国に飛んで行く錯覚を覚える。南太平洋の島々、ヨーロッパの建築美、アメリカの、中国、インド等々。

 本年2005年2月17日に新しく本格的な国際空港が開港した。それが中部国際空港「セントレア」である。名古屋駅から電車で30分。車で40分の距離。主要都市からバスも便利。ここは国内線と国際線が一つのスペースにある乗り継ぎのよさに加え、空港内はちょっとした観光名所になっている。「レンガ通り」は異国情緒漂うグルメ。「ちょうちん横丁」では懐かしい雰囲気の和テイスト。そして飛行場から伊勢湾や知多半島が一望できる大パノラマ展望台。さらにお土産にショッピングも楽しみだ。

 大きな夢は大事だが、その前に今を生きるために味噌煮込みうどん、きしめん、味噌カツ、ひつまぶし、名古屋コーチン等、美味しい名古屋を食べてみたいものだ。

撮影2005年 秋