◆ 家康誕生の地「岡崎城」

 日本の歴史上、最も大きな影響力を持った人物の一人に「徳川家康」がいる。彼は1542年12月26日岡崎城内(愛知県岡崎市)で誕生している。その後、家康は6歳で織田信秀(信長の父)、8歳で今川義元の人質となり、少年期を他国で過ごしている。2万5千の大軍率いる駿河の大名・今川義元に対し、十分の一程の尾張の大名・織田信長との合戦が行われる。1560年「桶狭間の戦」である。

 信長はこの戦いで歴史的な勝利を収め、戦国時代の制覇へひた走ることになる。今川義元戦死で家康は19歳で自立をすることになった。以来、岡崎城を拠点に強力な「三河武士」と共に、天下統一への道へ戦いは続けられた。

 早起きが習慣となってしまった私は、朝7時過ぎに公園内を散歩がてら見学した。岡崎城跡には見事な白亜の天守閣、家康館、家康公銅像、からくり時計、茶室、能楽堂、国道1号線に面した大手門をはじめ、落ち着いた雰囲気のなかで私を迎えてくれた。公園内には徳川将軍家の「葵の御紋」を数箇所で見つけた。

 偉大なる歴史の舞台の公園内を、老夫婦がゆったりとした足取りで散歩を楽しんでいた。時折早朝の心地よい風が通り過ぎていく。私は遠い歴史に思いを馳せながら歩いていた。徳川家康の偉大なる人物が、すぐ近くにいるような親近感を覚えつつ。 

撮影2005年 秋