◆谷崎潤一郎の「細雪」

 私は結婚して4人の娘に恵まれた。しかし本音は男の子が何としても欲しかったのだが。上から27歳、24歳、21歳、20歳の年頃の娘である。私から見てみんな可愛いのだが大きくなるにつれ、それぞれの個性がはっきりと現れてきているように思える。親としてそれぞれが自分らしい、充実した人生を歩んでもらいたいと願っている。

 4人姉妹といえば「若草物語」もそうであった。そして大正・昭和の時代にかけて、日本を代表する小説家の一人である谷崎潤一郎の「細雪」もそうであった。大阪・船場の名家蒔岡家の4人姉妹の性格や生き方が、絵巻物式に見事に描写されている。そしてこれまで何度も映画化されている。市川崑監督のものでは、岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子と豪華キャストで演じられている。

 関東大震災後に関西に移住した谷崎潤一郎は、神戸市東灘区にある「倚松庵(いしょうあん)」で、1936(昭和11)年11月から7年間にわたって暮らしている。六甲の山間から住吉川の清流が流れる河畔に自宅はあった。当時としてはかなりの豪華な家であった。この家で4人の女性に囲まれて生活した貴重な経験が、彼の人生の代表作となった「細雪」に、大きな影響を与えたものと思われる。

 私の親友3人が三宮で食事をした時のことである。たまたま3人とも子供は女の子しかいない。3人、4人、5人、合わせて12人。この場所に子供を呼べば、12人の娘が集まるのかと思えば嬉しくなってくる。女の子はいいね!可愛いよ!この日の会話は大いに弾んだ。

撮影2005年 夏