◆感動を与える東京ドーム

 生まれて初めてプロ野球のナイターを観戦した。場所は東京・後楽園。巨人―大洋戦であった。私は大学のクラスメイトに誘われてレフト側の外野席に座った。場内は熱狂的なファンで満員であった。それまで野球に興味がなかった私にとっては驚きの体験であった。芝生のグリーンがライトに照らされて、美しく映えていたことが印象に残っている。今から38年前のことである。

 後楽園球場は1937(昭和12)年に竣工している。以来野球を中心に数々の名場面、感動のドラマが展開された。王貞治(巨人)の756号のホームラン世界記録達成は、忘れられないシーンとして今も目に焼きついている。更に野球だけではなく、プロレスリング、プロボクシング、その他マイケルジャクソンをはじめ、国内外のビッグアーティストのコンサートも開催された。

 これまで野外での興行は絶えず天候との不安を抱えていた。それを解消してくれたのが日本初の全天候型多目的スタジアム「東京ドーム」の完成であった。1988(昭和63)年春に竣工。以来天候に左右されることなく安心して全てが開催。収容人数55,000人のビッグスタジアムとなった。

 場内はクーラーが効いていて快適であった。しかし連日の如く熱い声援は続いていた。人の心に残る感動がここから何度も何度も生まれてくるであろう。今日もドラマは続く。

撮影2005年 春