◆日比谷公園の憩い

 日本の中心地に日比谷公園はあった。東京駅・銀座・皇居・国会議事堂・各省庁の建物に囲まれた、そこは自由な空間であった。広さにして16ヘクタールもある。公園内は四季折々の花が咲き乱れる都会の中のオアシスとなっている。そして実にきれいに手入れされており、立派な木がたくさん建ち並ぶ、気持ちのいい公園でもある。開園が1903(明治36)年だから、100年を超える歴史があるのだ。

 日本初の洋式庭園として、多くの人に愛され親しまれるなかで1920(大正12)年には、わが国初の本格的野外音楽堂が完成している。開放的で自然環境の中での音楽会は、多くの人に感動と心の豊かさを提供してくれた。なかでも「木コン(木曜コンサート)」の開催は、私も鮮明に記憶している。

 さらに重厚な建物の日比谷公会堂は、様々な催し物・集会が開かれ、テレビ放映、ニュースでもお馴染みとなっている。そして嬉しいことに図書館もあるのだ。周りにビルがひしめき合っている地域だけあって、無料開放されている公園は貴重な存在となっている。OLがそしてサラリーマンが、昼休みにお弁当を広げている姿を見るにつけ、ここは素晴らしい憩いの場になっているのだ。

 私はわざわざ見学のため、散歩のためにこの公園を訪ねたりするようなことはこれまでなかった。ただ大学時代に一度だけ、彼女とデートをしたことがある。その時「あ〜、ここが有名な日比谷公園なのだ」と、そちらの方が興味あったことを思い出す。

撮影2005年 春