◆京都で一番好きな場所

 そこは静かな森と美しい日本庭園であった。金閣寺より道を間違えて、閑静な高級住宅地の中に迷い込んでしまった。ユーターンしようと思って入ったところが、実に素晴らしい場所であった。車を降りて歩いてみた。それが縁でその後も何回か訪ねることになったが、私にとって心落ち着く素敵な隠れ家屋のように思っている。そこは京都洛北に在り「しょうざん」と呼ばれていた。

 庭に入ってみれば鬱蒼と茂った木々のなかに、よく手入れされた草花。そして川には清流の声が聞こえてくる。小鳥も楽しそうに歌っている。小川には滝もある。ここは四季折々の美しい日本庭園の姿を見せてくれるのだ。日常味わえない森林浴のような新鮮な空気を、ここでは胸いっぱいに吸い込める。そしてここに入ると、ゆったりとした時間が過ぎていくように思えてくるから不思議だ。

 私は京都には日本の故郷の美しさを感じている。春には京都の町中が、淡いピンクの桜の花で埋まってしまう。秋には何といっても真っ赤に燃える紅葉である。これらは何処よりも京都が一番似合っているように思えてならない。

 「しょうざん」の売店に入った。そこは京都の香りがいっぱいであった。暑がりの私には扇子は手放せない。一年の半分は持ち歩いているように思う。ここで扇子を買ったが、手にするたびに京都の風を楽しんでいる。その他、伝統工芸品も豊富である。家には京漬物のおみやげは忘れない。今回訪ねた時は桜が満開であった。私たちを心から歓迎しているように思えた。嬉しかった。

撮影2005年 春