◆雪の八ヶ岳

 南アルプス連峰を西に見て、東には雪をかぶった美しい八ヶ岳の山々が連なっていた。この辺りは実に雄大なロケーションである。東京から中央自動車道を通って、神戸に帰る途中に見える私の一番好きな区間だ。私が名神高速道路を走らないのは、この景色に憧れるからである。

  一年を通して殆ど雪を見ることのない私にとって、八ヶ岳の美しい純白の雪化粧は、新鮮な感動を覚える。たとえ動かない山であっても、光の当りかたにより、朝、昼、夕方では全く違ってくる。また雲の動きによっても様々な変化をする。その度に違った顔を見るのが楽しみでもある。二日前に見たときは雲に覆われて山頂は全く見ることが出来なかった。

 八ヶ岳は南北30km、東西15kmの独立した火山帯である。高速道路で車を走らせても暫くの時間を、見て楽しむことが出来るほどだ。天狗岳2,646m、硫黄岳2,760m、横岳2,829m、赤岳2,899m、阿弥陀岳2,895m、編笠岳2,524m、蓼科山2,530m。私はこれら八つの山が連なっているから、その名前が付いているものと思っていた。しかし深田久弥(作家・登山家)は日本100名山で、これらの山とは違う2つ山を入れ替えて「八ヶ岳」としている。八という数字には「多数」の意味があるようだ。

 一般的には夏沢峠を境に、北八ヶ岳・南八ヶ岳に分けている。北の方は丸みを帯びた山容で、南は侵食が進み荒々しい山容である。日本を代表する素晴らしい山々である。いつまでも大自然の豊かな連峰として守りあっていきたいものだ。美しき雪の八ヶ岳よ!また会おう。

撮影2005年 春