◆東京都庁さま

 この家(間借)に住む以外にないから、仕方なく住んでいた。私は18歳〜27歳までの青年期を「東京」で過ごした。東京都民の一人であったのだ。自然は少なく騒音と公害で、環境は決して良くなかった。ところが青年期の頃は、それらをあまり意識することはなかった。「住めば都」とはよく言ったもので、一人で生きて行くのに必死であったし、余裕もなかった。

  「東京が好きですか?」と聞かれれば、私は即座に「好きです」と言い切れる。その理由はいくつかあるが、素晴らしい友人が沢山いるからである。人間が生きていくのに自然とか、環境に恵まれることは大事な要素であるが、人間一人では生きていけない。温かい家庭、信頼の友、楽しい友情があるから生きる喜びとなっていく。しかし今となっては青年期と同じような、東京での苦しく惨めな生活は、とても耐えられそうにない。もうご免だ。

 東京の町は見るたびに変化している。高層ビルの建設ラッシュだ。新宿西口、汐留、東京駅周辺、そして駅ごとに見上げるビルが建っている。それらは全てオフィースビルだ。そこで働く人の数は増員され、必然的に住宅の確保と拡大で、同じような高層住宅が増えている。こうした一極集中の傾向は、これからも更に続くものと予測される。 日本の首都「東京」が破壊されれば、日本国も崩壊してしまう。大都会「東京都」。人口1200万人。極めて限られた地域のなかで、日本の人口の10分の1が暮らしている。それは一つの国家に匹敵するほどの規模である。私の大好きな東京を、見事な舵取りでお願いしますよ!東京都庁さま!

撮影2005年 春