◆汐留の見事な変身

 「♪〜汽笛一声新橋の〜」日本で初めて鉄道が開通したのは明治5年のこと。新橋――横浜間であった。続く明治22年には新橋――神戸間が開通。以降日本の鉄道は大きく発展した。ここ新橋は鉄道発祥の地である。この駅のすぐ東には汐留地区があり、近年そこで大異変が起こった。それは新宿西口のビル街を思わす超高層ビルの森となってしまったのだ。

 私が兄弟のように親しくしている友人と共に、このビル街の中にある電通ビル47階の、素敵なイタリアンレストラン「Bice」で昼食を共にした。話は尽きなかった。気の会う人であれば、時間の経つも忘れてしまうものだ。よく女性同士がペチャクチャと長話をしている姿を見ることがあるが、その気持ちは自分で経験するとよく分かるものだ。

 この店からは東京の北西から南東までがよく見渡せる。つまり皇居、東京駅、銀座、隅田川、晴海、お台場等。地上200mから見るロケーションは、高さからしてさえぎる物は何一つない。実に見事で爽快感を味わえた。イタリア人マネージャーは憎いほどハンサムな男性であった。どことなく高級感が漂い、それでいて親しみやすい笑顔は、日本人にも親近感を与えている。そして料理の味も一品ごとに真心が感じられ、贅沢なインテリアのなかでの昼食は、忘れられない素晴らしい思い出となった。

 私は学生時代まで「電通」とは、電気通信の関係の会社だと思っていた。「天下の電通」といわれるほど、広告業界では最大手の企業である。優秀な人材を揃え、日本が世界に誇れる会社の一つだ。これまで私も「電通」の有能な人達と、親しくお付き合いをさせて頂いている。本社機能を汐留車庫跡の見事な超高層ビルに移転をしている。今後の益々のご発展を祈っております。

撮影2005年 冬