◆ 「淡路花博」の成果

 花の美しさを観賞するような心の余裕は、働き盛りの私にとってこれまで無かった。桜の季節にいつ咲いて散ったかも知らないほど一生懸命に働いた。紅葉も見ず寒さを肌で感じて秋だとばかり思っていたら冬になっていたことも。いつの日か花を見て、季節と美しさを感じる人生でありたいと願っていた。

 「淡路花博ジャパンフローラ2000」が神戸から車で30分で行ける淡路島で開催された。会期は2000年3月18日〜9月17日までの184日間。入場者総数は695万人で大成功の催しであった。ここには仕事を兼ねて、あるいは家族と共に、友人を誘って何度か見学した。お蔭で少しは花に対して理解と関心を持つことが出来るようになった。これは私にとっては実は大きな成果でありました。その中でマレーシアの親友の息子さんと共に行った時、レストランにマレーシア料理のコーナーがあった。マレーシア人の店員と現地語で親しく喋っていたことが、嬉しい思い出の一つでもあった。

 2003(平成15)年3月に発売された素晴らしい曲がある。SMAPの「世界に一つだけの花」がそれだ。甲子園での高校野球の行進曲から、紅白の歌合戦での「大トリ」をも飾る大ヒット曲であった。その中の一節に「そうさ 僕らも 世界に一つだけの花 一人一人違う種を持つ その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい  小さい花や大きな花 一つとして同じものはないから NO.1にならなくてもいい もともと特別なOnly one」。

 ある会社の社長が言っていた「この業界でトップにならなくていい、オンリーワンになりたい」と。兵庫県の高校教師・芦田恵之助氏は「ばら二本 一本は花大にして 一本は小  大大を誇らず 小小を恥じず 力の限り咲けるが美しい」。私の身体が人より大きいだけに、大きさを精一杯人生に咲かせてみたい気持と、周りの人達への細やかな配慮を戒める意味からも、好きな言葉である。つまり自分らしく生きること、それも精一杯頑張り抜く人生でありたいと日々願っている。 淡路花博跡に沢山の花が咲いていた。みんな同じように見える。しかしよく見ると一つ一つの花が違っていることに改めて気付かされた。みんな精一杯美しく咲かそうネ。

撮影2004年 夏