◆ 「ノリタケ」に見る美の世界

 有田焼が大好きだ。1992(平成4)年3月25日に九州最大のテーマパークが長崎にオープンした。オランダリゾート「ハウステンボス」(花と運河の王国)である。オープンして数日後に見学の機会に恵まれた。そこはまるでオランダ旅行をしているような錯覚さえ覚えた。素晴らしい内容に是非もう一度ゆっくり訪ねたいと願っている。そのあくる日に佐賀県に移動した。そこで初めて有田焼の歴史、優れた作品、世界一を誇る技術に触れ、あまりの素晴らしさに感動。生涯忘れ得ない有田焼との出会いとなった。その後は安いものに限ってではあるが、有田焼の食器を買い求めるように努力した。お蔭で今では少しは見る目も知識も付いてきたように思う。食器売場に行けば、時間の経つのも忘れる程の自分の姿がある。

 「ノリタケ」の作品には前々から興味を持っていた。JR名古屋駅より徒歩で15分の所に「ノリタケの森」がある。広大な敷地の中に入ってすぐ目に付くのが、赤レンガ造りの歴史を感じる建物。ここがノリタケのルーツなのだ。1904年に建設されたもので近代陶業発祥の地でもある。したがって100年の歴史を迎えたことになる。私はこれまでノリタケの作品を見るたびに、明るい清楚な洋風のイメージを持ち続けてきた。しかしここに来て古い歴史的な作品に触れ、更に多くの幅広い作品を見るにつけ、改めてノリタケの高度な技術力と芸術性に目を覚まされる思いがした。実に見事な物ばかりである。

 ノリタケの森には「カルチャーゾーン」、「ヒストリカルゾーン」、それに「コマーシャルゾーン」に分けられており、見学者への配慮を強く感じる建物の配置になっていた。レストランもカフェコーナーもある。勿論使われる食器は全てノリタケ。買い物コ−ナーでは欲しい品物が沢山あった。それも手ごろな値段の商品には嬉しい限りであった。ここでも明年の「愛知万博」開催に向けて新たに記念館を建設中で、多くの見学者の受け入れ準備を整えていた。訪れる人にとってきっと満足されるものと信じている。

撮影2004年 夏