◆ 子午線の町・明石

 中国では古い時代から方位や時刻を十二支で表していた。子(ネ)丑(ウシ)虎(トラ)卯(ウ)辰(タツ)巳(ミ)午(ウマ)未(ヒツジ)申(サル)酉(トリ)戌(イヌ)亥(イ)である。方位については東を「卯」、西を「酉」、南を「午」、北を「子」と現していた。子午線とは「子」と「午」の方角、つまり真北と真南を結んだ線という意味になる。明石市を子午線の町というが、その意味は「日本標準時の基準となる統計135度子午(南北)線上の町」という意味になる。

 友人から「午前12時に連絡を下さい」といわれた。これはお昼の12時? それとも夜の12時?お昼ごはんの12時は正確には何というのでしょうか。正解は「午前12時」でも「午後0時」でも良い。お昼の12時に太陽が明石の真南に位置する時が、日本国中の全ての地で12時と時刻となる。

 明石市立天文科学館の塔は1960(昭和35)年に建てられている。6月10日の「時の記念日」にオープンしている。塔の大時計の下に一本の縦線が入っているが、これが135度の線なのだ。

 この線上にある町は神戸・西区、三木市、小野市、西脇市,氷上町、但東町等。 丸い屋根が見えるのが「プラネタリウム」である。ドームスクリーンに実際とそっくりの星空を投影し、惑星だけでなく一晩の星の変化や、季節による星空の移り変わりの天体現象を投影している。イスはリクライニングシートのように仰向けになって見ることが出来る。非常にリラックス出来て快適である。過去何回か見る機会があったが、睡眠不足で行くと真っ暗な中、幻想的な星空を見ながら気持よく睡眠となる。

 宇宙は広い。光の速さが一秒間で地球を7回り半もする。1光年は光が一年間かけて進む距離。この宇宙の広さはどこまで続くのか。この宇宙はいつ誕生したのか。宇宙への大ロマンに触れると、なんとこの地球が、日本が、そして人間が小さい物であるかが分かる。地球上での戦争、人間社会のいがみ合い、家庭の中でのゴタゴタも、何と小さいことなのか。宇宙から物事を見れるもっと大きな心で生きていければ、これまでとは少し変わった人生観が生まれるかも知れない。  

撮影2004年 夏