◆富士五湖と「ほうとう」

 富士五湖の最も東にあるのが山中湖で、面積は6.67平方kmあり五湖中最大。周りは山で別荘が中腹に点在し、湖畔には美術館や文学館のほかレストラン・土産売り場等、観光施設が沢山ある。これらは大自然のなかに素晴らしくマッチして避暑地の余裕を感じさせられる。春は桜とピクニック。夏は湖・キャンプ山登り。秋は紅葉・散策。冬はスキー・スケート。そして最大の魅力は日本一の「富士山」がいつも周りにいてくれることなのだ。それが贅沢の極みであることを誰もが楽しみにしている。まさに日本を代表する風光明媚な場所なのであります。

 山中湖の東側に「エクシブ山中湖」という素晴らしく豪華なホテルに一泊した。夜の到着となったが、ホテルの入り口には可愛いクリスマスの飾り付けと、温かなイルミネーションの光で華やかな雰囲気がいっぱい。夕食はホテル内では高価なため外に出て食べることにした。来る途中に和風の店に目星を付けていたが、行ってみるとそこは鍋料理の専門店。「ほうとう?」私たちにとって全く馴染みのない郷土料理。「山があっても山なし県」子供の頃よく口癖のように云って遊んだものだが、ここは山国のため水田が少なくお米は貴重な食物。その代用として食べられたのが「ほうとう」。この「ほうとう」とはうどんを幅広にそれもグロテスクに切ったもので、カボチャ、白菜等の野菜をたっぷり入れ肉類と一緒に鉄鍋で煮込む。旅先で美味しく珍しいものに偶然に出会った喜びは大きい。

 翌朝は見事な日本晴れに恵まれ、富士山と山中湖の素晴らしい景色に心から感動すると共に、一服の名画を見ているようで時間のたつのも忘れてしまうほどであった。

  撮影2003年 冬